研究発表/実践報告[Zoomライブ]


スケジュール

 10月27日(日)13:30 ~ 14:30(録画の配信はありません)

 

  • 13:30 ~ 13:50 演題1
  • 13:50 ~ 14:10 演題2
  • 14:10 ~ 14:30 演題3

    ( 発表15分、質疑応答5分)

 

当日、指定の時間にZoomミーティングにご参加ください。接続URLは参加申込み時の自動配信メールに記載されています。


内容の紹介

演題1:ラショナルユーモアソングの効果について

春谷順子(学研アカデミー保育士養成コース)

 

本発表では、ラショナルユーモアソングの内、「アルプス一万尺」の歌詞を独善的な愛情を過剰に求めすぎることへの非現実性を笑い飛ばすものに変えた「LOVE ME,LOVE ME,ONLY ME」を取り上げ、ラショナルユーモアソングの効果等について検討したものである。

そこで、成人男女6名に、「アルプス一万尺」のメロディをきいた後とラショナルユーモアソングを唄った後での尺度による確認をした。その結果、ベースラインでの尺度得点と比較すると、アルプス一万尺のメロディをきいた後では、尺度上の有意差がみられなかった。一方、ラショナルユーモアソングを唄った後では、恋人分離不安尺度と不合理な信念尺度短縮版に有意差があった。両者ともユーモアに関する尺度には有意差がなかった。以上のことから、ラショナルユーモアソングの歌詞に認知を変える効果があると考えられる。また、ユーモアはビリーフ等を変える手段として活用していることが示唆される。

 

演題2:P.ティリッヒ「生きる勇気」論にみるラショナル・リビング

吉川正剛(大手前大学現代社会学部)

 

パウル・ティリッヒ(Tillich,P.)は,ドイツに生まれ,アメリカで活躍したプロテスタント神学者であり哲学者である。彼は,現代の人間のあらゆる文化的,社会的実存状況を敏感に感じ取り,その困窮と問いとを深く理解しながら,その回答をキリスト教の伝統の新しい解釈の中に求めた。代表的な著作の一つである『生きる勇気』(英語原題:The Courage to Be)には,人間が本質的に持つ不安やそれに対処して生きていく「勇気」についての考察を加えている。無神論者とされているアルバート・エリス(Ellis,A.)と立ち位置は異なるが,ティリッヒの「生きる勇気」論はREBTの理念である「Enjoy & Survival」に通じるものがある。本発表では,『生きる勇気』で解説されている「不安」「絶望」「恐怖」の概念を手掛かりに,REBTで取り扱うクライエントの感情と,そこに潜むビリーフの本質を考えたい。

 

演題3:動機づけ面接法にREBTの技法を取り入れた禁煙支援の事例報告

大野佳子(群馬医療福祉大学看護学部看護学科)、瀬在泉防衛医科大学校医学教育部看護学科)、三瓶舞紀子日本体育大学体育学部健康学科)、加濃正人祐和会大石クリニック精神科

 

本研究は、喫煙者を対象とした動機づけ面接法(以下MI)に、REBT(Rational Emotive Behavior Therapy)の技法を取り入れ、その影響を検討することを目的とした。方法は、禁煙支援事例のうち「離脱症状は耐えられない」とのイラショナル・ビリーフ(以下IB)により禁煙が困難なH氏(50代、男性、会社員部長職)を対象に、REBTの論駁技法である破滅スケールをMIと組み合わせて用いた。面接はZOOM会議システムを利用、30~60分の面接を1事例につき5回継続して実施する説明と同意を得た。面接者はMIに習熟するREBT心理士補である保健師・公認心理師で、面接終了毎にREBTの熟達者からスーパービジョン(以下SV)を受け次の面接に臨んだ。面接録画、逐語およびの内容をREBTスキルに注目し、振り返った。結果は、面接4回目でタバコへの捉え方の変化後、禁煙を開始し、継続中である。